【新型コロナ】次亜塩素酸水の有効性 厚生労働省・経済産業省・消費者庁による見解まとまる

☆☆本稿は「次亜塩素酸水」を空中噴霧することの有効性について言及したものではありません☆☆

☆☆「次亜塩素酸水」は吸引すると有害ですから空中噴霧は行わず,清拭にのみ用いるようにしてください☆☆

☆☆「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は異なります☆☆


2020年5月14日に,ブログで帯広畜産大学獣医学研究部門の小川晴子教授らの研究グループによるプレスリリースを取り上げました.

【新型コロナ】(いきいき健やかTV 第214回「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム 違いを知って感染症対策を!」を追記)次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する有効性(不活化効果)が証明される(帯広畜産大学)

その後,6月26日に消費者庁が,厚生労働省,経済産業省と合同で次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する有効性に関する見解をとりまとめ公表しましたので,早速その内容を確認していきたいと思います!





出典:消費者庁

新型コロナ対策|次亜塩素酸水を用いた清拭には「有効塩素濃度80ppm以上」であることが重要

次亜塩素酸水は有機物に弱いため,また清拭する場所がもともと汚れている場合は効果が出ません.まずコロナウイルス以外の有機物汚れを,先に落としておく必要があります.

さらに十分量の次亜塩素酸水で表面をひたひたになるまで濡らすことを推奨しています.70%アルコールのように,少量をかけて効果を期待することはできません.

消費者庁などの見解によれば,もとの汚れがひどい場合などは「有効塩素濃度200ppm以上」のものを使うことが望ましいということです.

ちなみに前述の「クリーンリフレ」は,次亜塩素酸0.01%(100ppm)以下ということです.

新型コロナウイルス対策として市販の次亜塩素酸水を使用する場合,次亜塩素酸が分解されないよう冷暗所で保存し,有効成分,使用方法,酸性度,使用期限などを確認することが望ましいと思います.

新型コロナ対策|次亜塩素酸水を用いた掛け流しには「有効塩素濃度35ppm以上」「20秒以上かけ流す」ことが重要

次亜塩素酸水は有機物に弱いため,また清拭する場所がもともと汚れている場合は効果が出ないのは,清拭のときと同様です.次亜塩素酸水の流水で消毒したいものを「20秒以上かけ流す」ことが重要です.

次亜塩素酸水の生成機が市販されていますので,こういったものを利用して「かけ流す」ことが想定されていると思います.また,表面に次亜塩素酸水が残留しないよう,洗浄後,きれいな布や紙などで拭き取るようにしましょう.

詳細は,消費者庁のサイトをご覧になると良いとおもいます!

消毒や除菌効果をうたう商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。|消費者庁

新型コロナ対策番外編|「次亜塩素酸水の効果」報道の危うさ(化学工業日報)

業界専門紙の化学工業日報が,6月24日付で「次亜塩素酸水の効果」に関する社説を公開しています.

 新型コロナウイルスの感染拡大がいまだ続くなか、消毒用アルコールの代替として使用されてきた次亜塩素酸水に関する一連の報道が社会的な混乱を招いている。経済産業省の製品評価技術基盤機構(NITE)が5月末に公表した次亜塩素酸水の新型コロナに対する有効性評価試験の中間結果を受け、一部のメディアが「次亜塩素酸水の効果はない」という印象を与えるような伝え方をしたためだ。そのため次亜塩素酸水を導入していた施設、個人が使用を取りやめる動きが相次いだ。次亜塩素酸水の供給にかかわる企業も大きな打撃を受けたと聞く。

 NITEの中間結果では、実施機関である国立感染症研究所と北里大学の試験結果が食い違うなど、結果にバラツキがあったことは確かだ。ただ中間結果のまとめでは「効果についての検証試験は継続中であり、まだ結論は出ていない」と結ばれている。つまり中間結果では効果があるとも、ないとも言っておらず「現時点では結論を出すのは難しい」としている。にもかかわらず一部メディアが「現時点で有効性は確認されず」「濃度次第で消毒効果なし」と伝えてしまった。その報道内容自体は間違いではないが、読者や視聴者に「効果はない」との誤解を招きかねない伝え方だと言わざるを得ない。

 次亜塩素酸水の新型コロナに対する有効性については、北海道大学が6月2日に「微酸性のpH5・5、有効塩素濃度40ppm、電気分解方式による次亜塩素酸水で、強力な不活化効果があることを実証した」と発表している。ただ、このデータだけでは不十分であり、NITEは引き続き検証試験を実施しているところ。有効性の有無は、今月中にも公表される試験結果を待つべきだろう。もう一つの議論となっている次亜塩素酸水を消毒目的に空間で噴霧することについては、まだ人体への安全性を評価する科学的な方法が確立されておらず、現段階での使用は時期尚早と考える。

 報道機関は、専門的内容を分かりやすく読者・視聴者に伝えるために物事を単純化したり、一側面だけに光を当てがちだ。また記者は時間、字数など、さまざまな制限下での原稿執筆が求められる。専門的内容を、すべて把握することは確かに難しい。ただ今回の次亜塩素酸水の報道のように、データの一部分を切り出して強調して伝えることで、多くの人々に誤解を与えてはならない。まだ結果は判明していないが、新型コロナの感染拡大防止の有力な選択肢を失うことにもつながるだろう。報道に携わる者ならば、他山の石として自戒せねばなるまい。

出典:化学工業日報

次亜塩素酸水に関しては,両極端の様々な言説が飛び交っており,一般市民にとって非常にわかりにくく誤解を生む情報提供が散見されます.疑わしきは原典に当たり,エビデンスに基づいて価値判断をしていきたいものですね(K.T).