低糖質で高タンパクの昆虫食が健康におすすめ!?特にコオロギが大人気!

昆虫食と聞くと,そのグロテスクな見た目から,生理的に受け付けないという方も多いのではないでしょうか.

実際,仮に誰かから「昆虫を食べよう」と言われても,脊髄反射で「食べたくない」と感じてしまう人が大半なんじゃないかと思います.信州の伊那谷などでは馴染みがある地域食品であるイナゴ,蜂の子,カイコ,ザザムシを使った料理も,全国的に普及浸透しているかというと,そうではないと仰る方のほうが圧倒的に多いのではと思います.

コオロギ×テクノロジーが生み出す新たな調和で、 健康でしあわせな未来を。
出典:グリラス プレスリリース

それでも,昆虫食は身体にとってよい食料として考えられているほか,SDGsの観点からも,近い将来,昆虫食が主なタンパク源のひとつとして見直される可能性が高いと踏んでいます.

昆虫食は,低糖質でありながら高タンパクであるため,世界的にも増加傾向にある生活習慣病や肥満体質の予防効果も期待できるかと思います.

ここでは,昆虫食の現状について概観し,食用コオロギの商品化で注目のグリラスというスタートアップについてもご紹介します.

健康的な身体に興味を持たれた方はぜひ,進化を遂げつつある昆虫食に注目してみてはいかがでしょうか.




将来迎えるであろう地球規模のタンパク質不足の時代に向けて持続可能で低糖質な昆虫食が注目されている

現在では,ごく当たり前のようにタンパク源として畜肉や穀物等を摂取することができていますが,このまま世界の人口が増え続けると,2030年代には,家畜や穀物由来のタンパク質の供給量よりも,人が必要とするタンパク質の量の方が上回ると推定されています.


出典:リージョナルフィッシュ プレスリリース

タンパク質は,人が生活していくうえにおいて,必須の栄養素であるため,これは黙って見逃すことはできない問題ですね.そのため,日本国内でも2013年ごろから昆虫食が推奨され始め,戦後の飢餓の時代からの変遷を経て,再び昆虫食が見直されてきています.

タンパク質含量も多く,低糖質で,生活習慣病等のリスクも少なく,さらに戦中戦後の飢餓の時代を中心として食経験の蓄積もあります.ウシやブタなどの家畜に比べ,育てるためにかかるコストや環境負荷が低いことも注目されている理由のひとつとして挙げられます.

筋トレに高タンパクの昆虫食がおすすめ

ダイエットや筋力低下を防ぐため,あるいはスポーツのパフォーマンスのを高めるために,継続的にジムなどで筋トレをされている人もおられるかと思いますが,意識的にタンパク質を摂取されておられるでしょうか.

筋肉をつくりだすためには,タンパク質が必要不可欠です.ふだんの食事に加え,手頃なタンパク質の摂取方法としてプロテインパウダーを水などで希釈(あるいは懸濁)したり,コンビニなどで販売されているプロテイン飲料を利用する方も多いかと思います.

もちろん粉末のプロテインを希釈したり,プロテイン飲料を摂取することもおすすめですが,同じく高タンパクな昆虫食を間食がわりに取り入れるのも良いかもしれませんね.

コオロギ由来のプロテインバー「BugMo Cricket Bar」(バグモクリケットバー)なんてのも,既に商品科されています.プロテインバー1本に対し,50匹ものコオロギが含まれています!

バグモクリケットバー

コオロギのプロテインバー


バグモクリケットバー

コオロギでできたプロテインバー


出典:株式会社BugMo プレスリリース

プロテイン飲料などですと,体質によってはお腹がゆるんでしまうことを懸念される方もおられるかも知れません,.けれども,昆虫食の場合はそのようなリスクも少なく,ダイエッターの方にもおすすめかと思います.

昆虫食の中でも特に人気の高いコオロギの栄養価

昆虫食といっても,さまざまな昆虫が食用とされています.

一部地域や海外では蜂の子やイナゴ,サソリなど幅広い昆虫が食べられています.日本でも以前は全国的にイナゴの佃煮などがよく食べられていましたが,次第に食べられなくなり,農薬などで除去されるなどして長野など一部地域を除いて一気に衰退してしまいました.

昆虫食の中でもコオロギに注目が浴びています.これは,広範囲で生息していることと,栄養価が高いことなどが理由に挙げられるかと思います.

コオロギは65%がタンパク質,20%は脂質,残りは繊維などで構成されています.これを見るだけでも多くのタンパク質が含まれていることがわかりますね.

より具体的にみてみると,コオロギには牛肉の2倍量のタンパク質が含まれており,そのほかにもカルシウムやビタミンB12なども含まれ,非常に栄養バランスのよい食材です.

ちなみにコオロギなどの昆虫食は,一般の方はもちろんのこと,ベジタリアンの方など野菜を中心に食事をとられている方々にもおすすめできる食材です.野菜中心の食事になりますと,野菜などからは摂取が難しいビタミンB12等の欠乏が懸念されます.昆虫食であれば,ベジタリアンの方でも食べることができ,栄養の偏りを改善することも期待できるかと思います.

グリラスが昆虫食を広げるために食用コオロギを品種改良

グリラスは,徳島が拠点のコオロギに特化したスタートアップですが,既に25年の歴史を重ねて現在に至っています.25年間コオロギの研究をしていた経験があり,将来的な食糧難の可能性を提示されてからは,食用のコオロギの品種改良に力を入れています.

グリラス

国内での食用コオロギ生産量日本一


出典:グリラス プレスリリース

現在でも,食用としてのコオロギの利用はなされていますが,実際に使用されているコオロギの品種が野生型であることから,繁殖や捕獲に多くのコストがかかっており,食品の原材料として利用するうえで,決して効率がよいわけではありません.

この現状を打開するためにも,コオロギの品種改良と「家畜化」が求められています.

グリラスでは,既に自社でコオロギの品種改良を手がけ,さらに生産したコオロギを利用した昆虫食を開発製造・販売しています.自ら課題感を抱えて,コオロギをとっかかりとして昆虫食を国内に広げる先進的な取り組みを行っています.

ここで注目したいのは,グリラスが販売しているコオロギの昆虫食は,パウダー状に加工し,グロテスクな見た目をなくすことによって,その見た目から昆虫食が苦手な方の敷居を下げる工夫に腐心しているということです.

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2030年の食料クライシス(危機)の予測は,個人的にはできれば外れて欲しいとは思いますが,現状の延長線上だと予測可能なクライシスだけに,次第に増えつつある昆虫食を実際に食べられる機会をうまく利用し,昆虫食に馴化していくことが必要なんじゃないかと思っています.

これから,製造コストも下がって流通量も増えていくと思うので,昆虫食から目が離せませんね!(K.T)