出汁(だし)といえば,旨味成分のエッセンス.
特に和食の場合,出汁(だし)は料理の基本ですよね.
最近では,ダイエットの観点から出汁(だし)が見直されているんだとか.「やせる出汁ダイエット」といった名称で,『ヒルナンデス!』や『土曜はナニする?』といったテレビ番組でも紹介されているようです.
そこで今回は.ダイエット効果を期待して注目を浴びている出汁(だし)についていろいろ調べていきたいと思います!
出汁(だし)を使ってダイエット!そもそも出汁(だし)って何?
出汁(だし)とは,昆布やカツオぶしなどの食品を煮出してつくった煮出し汁のことを指します.旨味成分のエッセンスとして知られており,うどんやそばのつゆからみそ汁,煮物,スープ…と応用範囲がとっても広いのが特徴です.
出汁(だし)の取り方は,昆布やカツオぶしを買って来てつくる基本のやり方から,あらかじめ調合したものを個包装したパック品,さらに旨味成分を抽出してつくった風味調味料を利用するところまで.多様な選択肢の中からそれぞれの考え方や立ち位置にフィットしたものを選べるようになりました.
昆布やカツオぶしから直接,出汁(だし)を取る場合は,手間暇がかかりますが,塩分の摂取を最小限に抑えられます.ただし,長持ちしないので使う量だけ調製することが必要です.
パック品は,簡便で保存が効きますが,通常の食生活では塩分過多になりがちですので,パック品の塩分含量に気をつける必要があります.低塩を謳ったものも市販されていますね.低塩でしっかり出汁(だし)が効いているものが,個人的には理想的だと考えています.
巷では「出汁を飲むだけダイエット」なんてのもあるみたいですね.
食べるものや量を制限するダイエットを試したけれど、“おいしいもの”の誘惑に勝てず、挫折してしまった。そんな人は、朝1杯飲むだけの「やせる出汁」にトライしてみましょう!#日経xwoman #ARIA #出汁 #やせるhttps://t.co/5lKJByqrwe
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風味調味料も簡便に出汁(だし)がつくれる選択肢のひとつですが,塩分が多い(全体量の概ね4割が塩分)ので,十分な旨味を得ようとすると塩分を摂りすぎてしまう可能性が高くなります.塩辛等の塩分濃度の高い食品を多食する地域では,特に注意する必要があると思います.
出汁(だし)を使ってダイエット!出汁(だし)がどうしてダイエットにつながるの?
塩分を多く含む食事だと,味付けがどうしても濃くなりがちです.味付けが濃くなると,味覚が鈍感になって素材の美味しさが分かりづらくなり,ついつい量を食べたくなるのです.
結果をコミットで知られるRIZAPの管理栄養士さんも,過食に走る要素のひとつとして塩分が濃いというのを挙げています!
出汁(だし)が効いていると,旨味成分だけで塩分によらずに美味しさを感じることができます.食事の満足度を上げる要素として「食事を美味しく食べられる濃さ」が考えられています.出汁(だし)がそもそも持っている旨味成分であったり,ごま,ゆず,すだちの香りや酸味といったもので調整することによって,塩分に頼らず,満足度を高めていくことで楽しく美味しく食事の質を変えていけると思います.
出汁(だし)を使ってダイエット!食事における塩分摂取量と肥満の有病率は正の相関
American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2019年5月21日号に掲載された論文に,注目すべきことが書かれています.
日本,中国,イギリスおよび米国で行われた,食事における塩分摂取量と肥満に関する調査です.
Salt intake is positively associated with BMI and the prevalence of overweight/obesity in Japan, China, the United Kingdom, and the United States. This association needs to be further confirmed in well-designed prospective studies with repeated dietary and BMI measurements.This trial was registered at clinicaltrials.gov as NCT00005271.
出典:American Journal of Clinical Nutrition, Volume 110, Issue 1, July 2019, Pages 34–40
結論として,塩分摂取量は,日本,中国,イギリスおよび米国におけるBMIおよび過体重/肥満の有病率と正の関連があるということです.今後,コホート研究,あるいは前向き研究と呼ばれる方法によってさらに確認する必要があると書かれていますが,肥満を防ぐためにも塩分摂取量を抑えるというのは正しい選択だと思います.この論文は,フリーでダウンロードできますので,興味をお持ちの方がおられましたら,ぜひ目を通してみて下さい.
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よくテレビで取り上げられている,「1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁」著者の工藤孝文さんによれば,出汁(だし)には味覚改善効果があると指摘しているそうです.
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1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁 工藤 孝文 https://t.co/aLdD3Z2gAD @amazonJPより— 工藤孝文 (@KudoTakafumi) September 24, 2020
塩分をできるだけ摂らずに旨味成分だけを選択的に摂るという工夫が,ダイエットの鍵と言えそうです(K.T)