2020年1月3日放送の「マツコの知らない世界」で,グルメ回転ずしで知られる函太郎のポテトフライが取り上げられました.函太郎のポテトフライに使用されているのは,北海道産の希少品種「インカのめざめ」.
「インカのめざめ」はただ品種として珍しいというだけではありません.ここでは,意外と知られていない「インカのめざめ」の魅力に迫りたいとおもいます!
独特の風味と食味が特徴の「インカのめざめ」は栽培が難しく流通量も少ない希少品種
ウイルス抵抗性が低く,シストセンチュウ抵抗性もないため栽培がやや難しく,北海道の地域特産品種として栽培されています.そのため,大量生産に向かず,函館周辺と一部本州に店舗をもつ函太郎のサイドメニューとして出されたり,カルビーポテト(カルビーの原料部門が分離してできた会社)から空港や道内の駅売店等の限定店舗でスナック菓子として販売される程度にとどまっています.
カロチノイド系色素ゼアキサンチンを豊富に含む「インカのめざめ」は機能性の面でも大注目
「インカのめざめ」は,農研機構北海道農業試験場(北農研)で開発された注目品種です.カロチノイド系色素ゼアキサンチンを豊富に含む(キタアカリの約7倍)ため,色調が鮮やかな黄色を呈しており,ジャガイモでありながらまるでサツマイモのように糖度が高く,味も濃くて活性酸素の消去能を有する機能性があることが売りとなっています.
過去に北農研が主催のいくつかのサイエンスカフェで馬鈴薯が取り上げられましたが,その際,市場にあまり流通しない「インカのめざめ」の試供があって盛況でした(現在,北農研サイエンスカフェは行われていません).
「インカのめざめ」フライが食べられるお店 – 函太郎
函太郎は,函館が誇るグルメ回転ずしのお店です.函館・道南エリアに4店舗,その他道内に3店舗,本州にも12店舗を展開しています.店舗により「インカのめざめ」フライが食べられないお店もあるので注意が必要です.
東京駅一番街の函太郎でも「インカのめざめ」フライは食べられますが,「マツコの知らない世界」の宣伝効果でしばらくの間は混み合うことが予想されます.
「インカのめざめ」フライが食べられるお店 – エゾバルバンバン
北海道イタリアン居酒屋のエゾバルバンバンでは,1月・2月限定で「インカのめざめ」フェアが開催されており,「インカのめざめ」フライがふつうに食べられます.幕別産の「インカのめざめ」に話題の花椒を添えた,”痺れ”フライドポテトが人気です.
エゾバルバンバン道内(札幌・函館)・道外(名古屋・松本・高松)全店で注文可能です.期間限定メニューですので,お見逃しなく!
「インカのめざめ」フライが買えるお店 – 道内の空港売店・道内JR駅等
カルビーポテトが,道内の空港売店・道内JR駅,新千歳空港のカルビープラス等の店舗に絞って「インカのめざめ」フライを販売しています.ビールのおつまみにぴったり.流通量が少ないため,通常の量販店では売っていません.
「インカのめざめ」の本格焼酎が買えるお店 – JAコープまくべつ
幕別は,「インカのめざめ」にかんして全道一の栽培量を誇っており,幕別のJAコープまくべつでは「インカのめざめ」を使った全国的にも珍しい本格焼酎を購入することができます.
インカのめざめ – JA幕別町
JA幕別町(JAコープまくべつ)- 幕別町観光物産協会
加工用「インカのめざめ」が買えるお店 – 通信販売等
いくつかの通販サイトで加工用「インカのめざめ」が購入できます.
とくに萌芽しやすい品種のため,冷蔵保存で萌芽を抑え,加工前にしっかり芽取りすることが重要です.
インカのめざめ – 北海道マルシェ
じゃがいも – ホクレンショップ
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道内の空港の売店では「じゃがポックル」と並んで人気の「インカのめざめ」.
もともとインカのめざめは希少品種なことを知っていたので,空港で買うお土産くらいしか食べる機会はないかと思っていたら,「マツコの知らない世界」のお正月特番で,東京駅の函太郎でも「インカのめざめ」フライが食べられることを知り,驚きました!
生産量が限られているので人気が出すぎるのも困りものですが,少量でも時々食べる機会が増えれば良いなあと思いました.