シラカバ花粉症とリンゴ

シラカバ花粉症は,リンゴ,モモ,サクランボ,キウイ,マンゴー,卵,コムギ,そばなどの食物アレルギーとの関連性が示唆されています.とくにりんごは,シラカバ花粉症の20%に対しリンゴの過敏症がみられるという報告があります.

リンゴを食べると過敏症に!?

シラカバ花粉症患者の増加に伴い,リンゴなどを食べることによって口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome; OAS)とよばれる口腔咽頭部の過敏症を起こす例が目立つようになっています.OASの予防には原因食物を摂らないというのが第一とされていて,つまりシラカバ花粉症になるとリンゴが食べられなくなるということになります.これは結構辛いものがあるかとおもいます.本州ではハンノキ花粉症がありますが,シラカバ花粉症と同様,リンゴでアレルギーを起こす可能性が高いとされています.つまり,仮に北海道に住んでいなくても,花粉症によってリンゴが食べられなくなるリスクはあるということです.


シラカバ花粉症には加熱で対応

シラカバ花粉症だからと言っても,リンゴならなんでも食べられないかというと,そうではありません.アレルギー反応を起こす果物に含まれるアレルゲンが熱に弱い特性をもっているために,加熱による加工の工程を経ることによって摂取が可能になります.市販のリンゴジュースは,熱殺菌の工程を経ますので,リンゴジュースならば問題がなくなります.ただし生ジュースには注意してください.

リンゴの機能性成分の筆頭はプロシアニジン

リンゴの果肉には,プロシアニジンとよばれる,リンゴ特有の渋味成分が含まれています.プロシアニジンが注目されるようになったのは,その脂肪蓄積抑制作用と血糖値上昇抑制作用に対する科学的な理解が進んできたことによります.ヒト介入試験も進められており,リンゴの生鮮食品として初めて,JAつがる弘前から機能性表示がされた「プライムアップル!」が発売されました.「プライムアップル!」には,王林とふじがあり,包装にそれぞれリンゴ由来のプロシアニジン含量の成分表示がされています.

シラカバ花粉症やシラカバ花粉症になると,アレルギー反応を起こして食べられなくなる果物の筆頭にリンゴがありますが,生食を避けて熱を加えることによってアレルギー反応を抑えて摂取することが可能となります.「プライムアップル!」では,その脂肪蓄積抑制作用にかんするヒト介入試験で有意な結果が確認されています.それぞれの体調に適した食べ方で,リンゴと向き合ってみませんか.(K.T.)