身近な食材が牙をむくアニサキスアレルギーの恐怖!原因と対策を知って美味しく食べよう

こだわりの食情報をお届けするWEBマガジン「おいしんぐ!」を運営する,株式会社iD代表取締役の金沢大基さんが,なんと自身のブログでアニサキスアレルギーになってしまったことを公表しました.

「この話は、今まで食物アレルギーを全く持っていなかった僕が、2021年4月のある日、突然アニサキス・アレルギーが発症し、大好きだった「魚を食べれなくなった」こと。食と旅を人生の生き甲斐とし、それを仕事にしている僕が絶望した日から闘うと決めた日のこと。僕と同じような症状になった人の役に立てれば。そして、いつ、誰もがなるかもしれない「アニサキス・アレルギー」についてを知ってもらえたら。との思いで書くことにしました。」

出典:<アニサキスと闘う(001)> 食物アレルギーになってしまった日々の生活について書きます。 |DK(金沢大基)

アニサキスアレルギーは,まだそれほど知名度が高くありません.

アニサキス症のことは知っていても,アニサキスアレルギーまで知っている方は少ないのではないでしょうか.けれども,アニサキス症が問題となっている昨今,生きているアニサキスだけでなくアニサキスの死骸によっても起こりうるアニサキスアレルギーのことも知っておくべき時代の節目にさしかかってきたようにかんじます.

そこで今回は.アニサキス症に続く食をめぐる脅威として,アニサキスアレルギーを取り上げ,知りうる範囲で原因と対策を書き出していきたいと思います!



アニサキスアレルギーを対策・予防するには?その原因は?

アニサキスが抗原となり,アレルギー反応による症状を示すのがアニサキスアレルギーです.

アニサキスアレルギーは生きた虫体によるアニサキス症に伴って起きる場合と,虫体が死んだ状態の魚介類(凍結保存あるいは加熱調理)の摂取により食物アレルギーと同様の機序で起きる場合の2通りが考えられます.

出典:アニサキス症(概要)|食品安全委員会

つまり,アニサキスが死滅していてもアニサキスの虫体に汚染された魚介類を摂取することによって,アニサキスアレルギーが起こりうるということを意味しています.これは,調理法だけではリスクを取り除ききれないということですので,かなり厄介ですね.

サバを食べてじんま疹がでる人についてじんま疹の原因(アレルゲン)調査をした結果.サバではなく,サバに寄生するアニサキスの幼虫が原因であったことが見つかった.アニサキスによるアレルギー症例は日本ではあまり多くないが,スペインでは,胃アニサキス症患者よりもアニサキスによるじんま疹の患者が多く報告されている.

出典:アニサキス症(概要)|食品安全委員会

サバなどの魚介類を食べてじんま疹を発症する方は,アニサキスアレルギーの可能性を疑う必要があるのかもしれません.

じんま疹以外にも喘息発作や関節炎,結膜炎の症状が出る人もいる.これらの病気は,アニサキスに対するアレルギーが原因と考えられている.
日本では,イカやサバなどの魚介類を摂取した際にアナフィラキシーを含むアレルギー症状を示す症例が知られていたが,最近,検査において魚介類では陽性を示さないケースで,アニサキスによるアレルギーが原因の症例が相当数存在することが明らかとなった.

出典:アニサキス症(概要)|食品安全委員会

抗原検査をパスしたとしても,それだけでアニサキスアレルギーではないと判断できないケースもあるということを意味しています.それだけ,アニサキスアレルギーはこれまで認識されていた以上に根深い浸透を示している可能性がありそうです.

アニサキスアレルギーを対策・予防するには?その対策は?

アニサキスアレルギーは,通常のアニサキス症の予防方法である加熱処理や冷凍処理だけでは不十分で,虫体が死んだ状態の魚介類を含むエキスやだしといったものも原因物質となりうる危険性を持っています.つまり,魚介類由来の食品を避けきれない限り,アニサキスアレルギーのリスクを否定することができないのです.とはいえ,食べ方や調理の仕方を工夫すること,そして生魚を食べる機会を少なくすることによってリスクを減らすことは可能です.アニサキスの残渣が含まれる可能性のある食品をすべて排除するというのが,理想上,究極の対策なのかもしれません.しかし現実問題としてとりうる100%の対策方法は今のところないので,ある程度のところで折り合いをつけるしかないのでしょう.

一般論として,アニサキスの汚染の恐れが大きいのは,管理された環境でつくられた養殖魚よりも天然魚のほうなので,そのあたりの相場観も食品を選択する際の目安となるかもしれません.

アニサキスアレルギーを対策・予防するには?実際にアナフィラキシーショックを起こさないようにするには?

アニサキスアレルギーで劇症化すると,生命の危険が脅かされるアナフィラキシーショックに陥ることがあります.

アナフィラキシーとは
アナフィラキシーとは、アレルギーの原因物質に触れる、あるいは食べたり飲んだりした後に、数分から数時間以内に複数の臓器や全身にあらわれる激しい急性(即時型)のアレルギー反応です。アナフィラキシーによって血圧の低下や意識障害などを引き起こし、ショック状態に至ることがあり(アナフィラキシー・ショック)、場合によっては、生命を脅かすことがあります。

出典:マイランEPD合同会社プレスリリース

アニサキスに限らず,実際にアナフィラキシーショックで生命の危険が脅かされる事態に遭遇した有名人は,それなりにいます.

私が千葉で通っていたスポーツクラブでレッスンを受け持っているインストラクターが指導していた,モデルの阿部桃子さんもそのひとりです.

父親が日テレのリポーターで活躍している阿部祐二さんということもあり,2019年2月12日放送の日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」でも取り上げられました.
既にアレルギーを持っていて,アナフィラキシーショックを予防するためには,アレルギーを起こす可能性がある食品は,体調のすぐれない時には口にしないことがポイントだということがわかります.

女流棋士の竹俣紅さんも,過去に日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」の中で取り上げられ,アナフィラキシーショックがいつ何時起こっても対応できるよう,アナフィラキシー補助治療剤のアドレナリン自己注射薬(エピペン)を持ち歩いているのだそうです.

最近では,新型コロナウイルスワクチン接種後にアナフィラキシーショックを発症した際に備え,エピペンが自治体向けに無償提供されることがニュースになっていました.アナフィラキシーショックもエピペンも日常的に使われる一般用語になりつつあるんですね.

日本に住んでいる以上,魚介類・甲殻類を食品から完全に除去することは現実的には極めて困難な課題だとおもいます.絶望につながることにならないよう,ふだんの食事もアレルギーを起こさないよう気をつける必要がありそうです.アニサキスアレルギーが増加傾向にあるいまは,なおさらそう思います.逆にアニサキスフリーの食材が増えていけば,これは逆にチャンスなのかもしれません(K.T).