アレルギー症状緩和効果が確認されているメチル化カテキンを多く含むべにふうき(紅富貴) どこで手に入れれば良い?実際飲んでどうなの?

べにふうき(紅富貴)は,農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所(旧農林水産省野菜・茶業試験場)で育成された緑茶の品種のひとつです.カテキンの一種であるメチル化カテキンを豊富に含み,苦味が強いものの,香りがふくよかという特徴を持っています.

べにふうき|アレルギー症状を緩和する効果が確認されているメチル化カテキンを多く含む

カテキンは,ポリフェノールの一種で,緑茶の渋みや苦みの主成分として知られています.かつては,緑茶の苦み成分はタンニンと呼ばれてきましたが,緑茶のタンニンの多くがカテキン類であることが明らかとなってきたことから,最近では一括してカテキンと呼ぶように変わりました.べにふうきに多く含まれるメチル化カテキンには,IgE(免疫グロブリンE)受容体の発現とヒスタミンの放出を抑制することによって,花粉症やハウスダストなどによるアレルギー症状を緩和する働きがあるとして注目が集まっています.

つくば市にある食と農の科学館に行けば,無料の給茶機でべにふうきのお茶を飲むことができますよ.私はとても苦いとかんじますが,花粉症の方が飲むと苦みをかんじないそうです.ぜひおためしあれ.

べにふうき|べにふうき茶はどこで手に入れれば良い?

べにふうき茶はどこで手に入れれば良いのでしょう.

ここではべにふうき茶を市販している国内サプライヤーをいくつかピックアップしてみます.量販店での購入ルートは限定的ですが,通信販売のほか,全国のカルディで比較的容易に購入できるようです.

アサヒ飲料

「目や鼻の調子を整える」をキャッチフレーズに,機能性表示食品として「めめはな茶」の名称でべにふうき茶葉を100%使用したPETボトル飲料を販売しています.オンラインショップのほか,一部のコンビニエンスストアで入手できることがあるようです.

アサヒめめはな茶

ワラシナ茶業

静岡の茶葉販売会社です.「べにふうき緑茶」を販売しており,全国のカルディで購入可能です.

冨士屋製菓

鹿児島・曽於郡の菓子販売会社です.鹿児島産べにふうき茶を使用した「べにふうきのど飴」を販売しており,全国のカルディで購入可能です.

べにふうきのど飴|冨士屋製菓

丸善銘茶

東京・神田淡路町の茶葉販売会社です.「べにふうき緑茶」「べにふうき飴」を販売しています.オンラインショップで購入できます.

べにふうき|丸善銘茶
べにふうき飴|丸善銘茶

福本園

熊本・菊陽町の茶葉販売会社です.「べにふうき緑茶」を販売しています.オンラインショップで購入できます.「日経ヘルス 2010.3」に紹介されました.

べにふうき緑茶|福本園

お茶の里城南

掛川の茶葉販売会社です.「べにふうき緑茶」「べにふうき飴」を販売しています.オンラインショップで購入できます.

べにふうき|お茶の里城南

お茶の荒畑園

牧之原の茶葉販売会社です.「べにふうき緑茶」「べにふうき飴」を販売しています.オンラインショップで購入できます.

べにふうき|お茶の荒畑園

かやまえん

菊川の茶葉販売会社です.「べにふうき緑茶」を販売しています.オンラインショップで購入できます.

べにふうき緑茶|かやまえん

美ら花紅茶

沖縄の太陽の恵みを浴びた「べにふうき緑茶」を販売しています.沖縄県内で複数店舗を展開しているほか,オンラインショップでも購入できます.

べにふうき緑茶|美ら花紅茶

べにふうき|メチル化カテキンは「やぶきた」には含まれていない

メチル化カテキンは,緑茶に含まれる代表的なカテキンのひとつであるエピガロカテキンガレート(EGCG)の一部がメチル基に置き換わったものです.一般的によく飲まれている緑茶の代表的な品種は「やぶきた」と呼ばれるものですが,「やぶきた」にはメチル化カテキンは含まれていません.メチル化カテキンには,アレルギー反応を抑制する活性が見出されているほか,脂肪蓄積の抑制活性,血圧上昇の抑制活性が見出されています.カテキンには様々な生理活性作用を持っていることが明らかになりつつありますが,特にべにふうきに多く含まれるメチル化カテキンの抗アレルギー作用以外の効果については,これからの研究成果が待たれます.

べにふうき|緑茶カテキンの安全性に関する科学的意見

欧州食品安全機関(EFSA)が,緑茶に含まれるカテキンの安全性について,特にEGCGの摂取と肝毒性との関連性に着目した科学的意見を発表しています.フードサプリメントとして緑茶の抽出物や濃縮物の摂取に対して比較対照との比較で血清中のトランスアミナーゼの統計的に有意な増加が誘発されることを示唆する根拠が得られた一方,通常のお茶として希釈して飲む分に関しては安全であるとの見解が示されています.

べにふうきを通常のお茶として飲む場合にはさほど気にする必要はないと思いますが,サプリメントとして緑茶抽出物を常用する場合には,特定成分を過剰摂取することによる健康被害を受ける可能性を考慮する必要があると思います.また,べにふうきの苦味を抑え,かつメチル化カテキンの吸収もブロックされないような加工法も開発されてきましたので,単にお茶として飲むというだけでなく,べにふうき入りのお菓子のような利用のされ方も今後増えてくると嬉しいなとおもっています.(K.T.)