3月19日放送のTBS「グッとラック!」で『新型コロナ対策 免疫力を高めるレシピ』と題し,免疫機能の向上に効果的な食材として,まいたけ,もずくおよびヨーグルトを取り上げていました.
そのうちヨーグルトは,中国国家衛生健康委員会「新型コロナウイルス感染による肺炎の予防と治療のための栄養食に関するガイドライン」でラクトフェリンを豊富に含む乳製品の代表例として取り上げていました(過去記事「中国国家衛生健康委員会「新型コロナウイルス感染による肺炎の予防と治療のための栄養食に関するガイドライン」でラクトフェリンを豊富に含む乳製品(特にヨーグルト)の摂取を推奨」を参照).
そこで今回は,残るまいたけともずくにフォーカスを当て,それぞれの食材の魅力について追っていきたいとおもいます!
免疫力を高める食材ー新型コロナ対策としてのまいたけの魅力
まいたけは,1980年ごろから栽培技術の開発,量産化技術の確立に伴って生産販売が開始され,市場に広く出回るようになりました.季節を問わず入手でき,しかも品質のばらつきが少ないこともあって,機能性食品としてのまいたけの研究が精力的に行われています.
数あるキノコ類の中でも,まいたけには貯蔵多糖として「α-グルカン」を多く含み,2013年108巻6号の日本醸造協会誌に掲載された解説記事では,収穫直前のまいたけを冷蔵保存後に凍結乾燥し,高温下で熱水抽出して得られら「α-グルカン」が,マウスへのインフルエンザ治療効果,さらにタミフル耐性細胞株での抗ウイルス活性効果が確認できたことについて言及しています.
あくまでもマウスや培養細胞で得られた知見ではありますが,抗ウイルス活性効果を期待して,まいたけをふだんの食材のひとつとして,多く取り入れるとよいかもしれませんね.
免疫力を高める食材ー新型コロナ対策としてのまいたけレシピ「まいたけとベーコンのカレー炒め」
「グッとラック!」で取り上げられたのは,まいたけと油を使った「まいたけとベーコンのカレー炒め」でした.
まいたけには免疫機能を正常に保つビタミンDが含まれており,ビタミンDが油溶性のビタミンであることから,まいたけと油の組み合わせのレシピを紹介したものとおもいます.
では,料理研究家の浜田陽子さんが紹介された「まいたけとベーコンのカレー炒め」のレシピを以下に示します.
材料
まいたけ 2パック,200g
ベーコン 100g
バター 適量
ニンニク 1片
オリーブオイル 大さじ2杯
めんつゆ 適量
カレー粉 適量作り方
1.熱したフライパンにオリーブオイルとニンニクを入れる
2.1cm角に切ったベーコンと手で割いたまいたけを入れて炒める
3.バターとカレー粉とめんつゆで味付けし、味が馴染んだら完成
「まいたけとベーコンのカレー炒め」をご飯と混ぜることで,カレーピラフにもアレンジすることができるということです.
免疫力を高める食材ー新型コロナ対策としてのもずくの魅力
もずくには,ぬめり成分として知られる多糖成分であるフコイダンが豊富に含まれています.
フコイダンは,もずくに限らず,昆布やワカメ,ひじきなどの褐藻類に多く含まれる機能性成分で,免疫賦活作用や抗腫瘍作用,抗ウイルス作用など多様な機能性が研究されています.
今回,「グッとラック!」が数ある褐藻類の中でも,もずくフコイダンに着目したのは化学構造が解明され機能性成分としての研究が進んでいるためと考えられます.
参考:
海藻フコイダンの科学|成山堂書店
免疫力を高める食材ー新型コロナ対策としてのもずくレシピ「もずくの甘酢あん」
もずくは,もずく酢にしてそのまま食べることもありますが,加熱することによって,もずくの中に含まれるフコイダンが溶出し,効果的に栄養を摂ることができることから,「グッとラック!」では,ひと手間加えた「もずくの甘酢あん」のレシピを紹介していました.
材料
もずく酢 3パック
合挽き肉 200g
片栗粉 大さじ 1.5杯
ごま油 大さじ1杯
醤油 適量作り方
1.フライパンにごま油を入れて温める
2.フライパンが温まったら合挽き肉を炒める
3.肉の色が変わってきたら片栗粉を入れ,もずく酢を入れる
4.最後に醤油を入れて味を調節すれば完成
これをご飯にかけると,もずく丼になりますね!
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新型コロナ対策としてフコイダンに着目するのなら,もずく以外にも昆布やワカメ,ひじきなどの褐藻類を広く着目しても良いかもしれませんね.函館(特に南茅部地区)は昆布の一大産地で,日本昆布協会も独自に立ち上げたサイト「こんぶネット」でフコイダンの機能性について触れています.
函館周辺にお住いの方でしたら,峠下にある昆布館に行くと,昆布について詳しく知ることができますよ!
詳しい解明はまだなされていませんが,食品中に含まれる「α-グルカン」や「フコイダン」といった多糖体の抗ウイルス活性効果のメカニズムの化学的理解が進むことを願ってやみません.(K.T.)