カニカマは,みなさん一度は食べたことがおありですよね.
カニカマは,かにの身に似せてつくった蒲鉾で,実際にカニの身が使用されているわけではなく,あくまでもカニ風味なんですよね.
それでも非常に再現度が高いこともあり,1970年代に開発,販売開始されてから現在まで,カニカマの人気が衰えることはありません.
イメージとして,サラダやスープの具材として使用されることが多いように思いますが,他の練り製品と比べると糖質が少なく,かつタンパク質を多く含むという特徴があります.
ここでは,カニカマと筋トレ,ダイエットの関係などについて詳しくご紹介します.
これまで,カニカマを何気なく食べていた方は,これを機に,カニカマで得られるメリットなどを考えてみてはいかがでしょうか.
カニカマの原料はスケトウダラ!?だからタンパク質も豊富!
長寿商品のカニカマが,いったい何を材料につくられているか,知らない方も少なからずおられるのではないでしょうか.
以前,科学技術振興機構がサイエンスチャンネルで,カニカマの製造工程を動画にまとめていますので,どうぞご覧ください.
名前にカニという文字が使用されていることと,見た目もカニに似ていることもあり,実際に一部でもカニの身が使用されていると勘違いしてしまいますよね.
おまけに,味や食感,風味なども非常にカニに似ているときているので,製造工程を知らなければ誤って認識していても仕方ありません.
しかし,実際に使用されている原料はカニではなく,魚のスケトウダラです.
出典:アラスカシーフードマーケティング協会 プレスリリース
スケトウダラは高タンパク質でありながら,低脂質であるので太りにくく,筋肉がつきやすいです.
ですので,ダイエットや筋トレにとってスケトウダラは救世主であり,そのスケトウダラで作られているカニカマも同じく救世主と言えるでしょう.
アメリカの寿司屋さんではよく知られているカリフォルニアロールにも,カニカマがよく使われています.
非常に優れている魚ではありますが,傷みが早いため,北海道以外では鮮魚としてではなく,カニカマのような水産練り製品の形でしかなかなか流通しないこともあって,あまりこの優秀さが知られていないように思います.
カニカマの気になる糖質やカロリーは?
カニカマをダイエットする際に食べるとなると,どうしても糖質やカロリーが気になってしまいますよね.
どちらも低ければ太ってしまう要素が少ないことになるため,非常にダイエットに向いている食材と言えます.
実際カニカマのカロリーは,100g中約90カロリーで糖質は9~10gとなっています.
カロリーは低いですが,筋トレをされている方に注目度の高いちくわなどと比べても,糖質は残念ながらやや高めになっているので,糖質制限をしている人には不向きの食材です.
しかし,カロリーが低いことは大きなメリットであり,糖質制限をしないダイエットをするのであればおすすめできますし,ダイエット効果も十分得られることが期待できますよ.
とくに高タンパク低脂質でDHAなどの栄養も豊富なところは,ポイント高いです!
糖質が高くなっている理由は,カニカマの製造の際に低温でのゲルの分解を防ぐため,ショ糖やソルビトールなどの糖が凍結防止剤として添加されているためです.実際,スケトウダラそのものにはあまり糖質が含まれていません.よりカニに近づけるために添加されたものと想像できます.
ちなみに,練り製品ではない,本物のカニにも糖質はあまり含まれていないので,糖質制限をしている方でも問題なく食べることができます.
カニカマとは対照的に,本物のカニにはビタミンA,ビタミンC,ビタミンB5が含まれているほか,ビタミンB12,B2,B3,B6,およびビタミンEも多く含まれています。一方,カニカマには,高レベルのビタミンB1とビタミンKが含まれており,一概にカニカマよりも本物のカニの方が良いとも言えませんね.
ただし,カニカマの場合は塩分がやや多く含まれているので,いずれにせよ節度をもって食べることが重要ですね.
カニカマは糖質が高いからダイエットには不向き?
上記でも紹介したように,カニカマにはちくわ以上に糖質が多く含まれているため,これだけを見るとダイエットに不向きと言えます.また,厳密にはグルテンフリーでもないので,アレルギーをお持ちの方には身体に合わない可能性もあります.
実際,いくらカロリーが低くても糖質が多ければダイエットの効果は薄く,場合によっては太ってしまう可能性も十分あり得ます.
しかし,一概にカニカマがダイエットに不向きであるとは言い切れません.
例えば,間食のお菓子をカニカマに変えるだけで摂取するカロリーを抑えることができ,糖質も通常のお菓子と比べると低いです.
また,腹持ちも極端に悪いわけでもないので,カニカマ1本食べるだけでも十分お腹を満たすことができます.もちろん,カニカマだけを主食に充てるのは塩分の摂りすぎにもつながるのでお勧めはしませんが.
さらに,カニカマに含まれているタンパク質は,筋肉を作るために必要不可欠であり,筋肉量が増えれば基礎代謝が高まり,脂肪燃焼の効果を高めることが可能です.
このような効果が期待できるカニカマは,食べ方や運動・筋トレをするのであれば,ちくわなどに匹敵する,十分ダイエット効果を高めることができる水産練り製品であると言えるでしょう.
カニカマで筋肉量増加の効果は裏切らない!?
筋肉を作るためにはタンパク質が必要で,おすすめの食材として鶏のむね肉がしばしば挙げられます.そういえば,かつて手軽に食べられる鶏のむね肉として,サラダチキンがブームになったこともありましたね.
しかし,カニカマも鶏のむね肉に負けないくらい筋肉に良い食材なんです.
100g中のタンパク質の量は王者でもある鶏のむね肉まではおよびませんが,それでも卵と同じくらいのタンパク含量があります.
また,鶏のむね肉は肉類の中でも脂質は少ない部類ではありますが,さらにカニカマは,鶏のむね肉以上に脂質が少ないです.
そのため,鶏のむね肉と比べても太りにくく,食べ過ぎでも太ってしまうこともありません.
カニカマが筋肉量増加の効果があることは,単にタンパク質が多く含まれているということだけが理由ではありません.
一部メディアでも取り上げられましたが,スケトウダラを食べると筋肉量が増えることがわかっています.
しかし,実証実験では効果が確認されていますが,詳しい原理がわかっていません.今後,スケトウダラで筋肉量は増えるメカニズムが解明されれば,よりいっそうカニカマの注目度が高まるかもしれませんね.
カニカマは血糖値抑制の効果で糖尿病にも優しい!?
カニカマには,血糖値が急激に上昇してしまう,血糖値スパイクを防ぐ効果があることが判明しています.
血糖値が急上昇してしまうと,血管に過度の負荷がかかり,最悪,糖尿病になることもあります.カニカマで血糖値の上昇を抑制するのは,インスリンの分泌を高める効果があることによります.
ちなみに,カニカマの原料でもあるスケトウダラをそのまま食べても血糖値の上昇を抑える効果は期待できませんが,すり身にして蒸すことによって初めて,血糖値上昇抑制効果が得られます(K.T).