温州みかんの転換作物として広がったすだち 独自の機能性成分「スダチチン」に注目!

すだちは,徳島を代表する香り豊かな柑橘系の果実です.ゆずの近縁種で爽やかな酸味のすだちの香りの主成分はリモネンで,とくに果皮や果汁に多く含まれています.リモネンといえば,アロマオイルの成分のひとつで,抗酸化作用が強く,リラックス効果とともに気分をすっきりさせる効果が知られています.じっさい,すだちの搾汁残渣から抽出された精油成分は,良好な香気を保持していることから,アロマテラピーへの利用が期待されています.

すだち特有の栄養素「スダチチン」

すだちの果皮に多く含まれている,すだち特有の機能性成分として「スダチチン」が挙げられます.スダチチンとは,すだちの果皮に特異的に存在する天然有機化合物のひとつで,マウスを用いた実験で高脂肪食飼育による肥満を抑制できること,糖代謝や脂質代謝改善作用が確認されたことが発表されています.今後,すだちに含まれる有効成分の特定と,ヒトでの有効性評価・検証が待たれるところです.

大分あたりでは,地元のかぼすと比較されて,酸っぱいばかりのすだちと言われることもありますが,風味づけや酢の代替として,意外と何にでも合います.もちろんすだちのリキュールも(笑).

温州みかんの転換作物として広がったすだち

すだちの商業栽培は,徳島県神山町の鬼籠野地区で始まった養蚕業やサツマイモ栽培からの転作栽培が最初だと言われています.さらにすだちの栽培技術の蓄積が進み,周年出荷体制が確立されると,県が地元農家に対して温州みかんからの転作支援を開始,周辺地域でのすだち栽培が広がり,安定供給体制の確立と広報宣伝効果の両面から大消費地の関西から関東へとすだちの認知度が上昇,徳島を代表する果樹へと大きく成長を遂げました.

すだちを搾ってつくられた100%果汁「すだち酢」

すだち酢をご存知でしょうか.すだちを使った醸造酢ではなく,すだちを搾ってつくられた100%果汁のことをすだち酢と呼び,生のすだちを逐一絞ることなく適量を調味料代わりに使うことができます.すだちは旬が短いので,加工食品としてのすだち酢は,通年ですだちの香味を楽しむために好適といえるでしょう.

すだちは爽やかな酸味が強いので,そのまま食べるというよりも絞って香味をつける調味料として使うことが個人的には多いのですが,徳島県外ですといまだに購入できるルートが限られているのが残念なところではあります.私もふつうに地元スーパーで気軽にすだちやすだち関連製品が選べる地域に住んでいないため,なおさらすだちを恋しく感じることがあります.

県ではすだちをつかったゆるキャラ「すだちくん」を使ってプロモーションをかけてはいますが,もっと気軽にどこでも買えるようになることを期待してやみません.(K.T.)